妹と兄4
妹兄4
『こことここ』
『こことここー?』
二人だけの儀式…。それは、恐怖を紛らわしてくれる。おまじないだと思っていた。
共稼ぎの両親は帰ってくる時間がまちまちで、スナックを経営する母は明け方帰って来ることが多く。父は、ほとんど家に寄り付かず、学校から帰るあたしと兄は、二人だけで過ごすことが多かった。私は十五になったばかりで、兄は二個うえの十七歳。押入れから布団を降ろそうとしたとき。ふと、子供の頃を思い出してしまった。両親は今だに顔を合わせると、事あるごとに言い争ったが、この押入れは今のあたしたちには狭すぎると思った。
「あはっ」
「あん?」
思わず振り向いた兄。
「あんでもないよ」
「あんだよぉー 思い出し笑い? キショーッ」
「オ・シ・イ・レー」
あたしが答える。
「押入れがどーした?」
「だからなんでもないって」
アキラにーちゃんは不思議そうにあたしを見て、そのままテレビのお笑い番組に大笑いした。
「ぎゃははははは~ しぬしぬぅ~」
「布団敷いておいたから早く寝なよ。またバンドの朝練遅刻すっとメンバーに殺されるよ。ひひひ」
「ご苦労、俺様のメイド。わかった。わかった。まるでユィナは小さなおか~ちゃん! こうるさいんじゃー」
「あはははは。ミーちゃん今日も午前様かな~? じゃねりゅ。オヤシュミ~」
「だろうなぁ…。おぅ、おやすみ」
あたしは自分の部屋へ、あくびをしつつ戻って行った。
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『こことここ』
『こことここー?』
二人だけの儀式…。それは、恐怖を紛らわしてくれる。おまじないだと思っていた。
共稼ぎの両親は帰ってくる時間がまちまちで、スナックを経営する母は明け方帰って来ることが多く。父は、ほとんど家に寄り付かず、学校から帰るあたしと兄は、二人だけで過ごすことが多かった。私は十五になったばかりで、兄は二個うえの十七歳。押入れから布団を降ろそうとしたとき。ふと、子供の頃を思い出してしまった。両親は今だに顔を合わせると、事あるごとに言い争ったが、この押入れは今のあたしたちには狭すぎると思った。
「あはっ」
「あん?」
思わず振り向いた兄。
「あんでもないよ」
「あんだよぉー 思い出し笑い? キショーッ」
「オ・シ・イ・レー」
あたしが答える。
「押入れがどーした?」
「だからなんでもないって」
アキラにーちゃんは不思議そうにあたしを見て、そのままテレビのお笑い番組に大笑いした。
「ぎゃははははは~ しぬしぬぅ~」
「布団敷いておいたから早く寝なよ。またバンドの朝練遅刻すっとメンバーに殺されるよ。ひひひ」
「ご苦労、俺様のメイド。わかった。わかった。まるでユィナは小さなおか~ちゃん! こうるさいんじゃー」
「あはははは。ミーちゃん今日も午前様かな~? じゃねりゅ。オヤシュミ~」
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あたしは自分の部屋へ、あくびをしつつ戻って行った。
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