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 アキラはバイトを辞め、飯だけ食べさせてもらえるだけでいいと屋敷の使用人にしてもらっていた。これなら誰にも怪しまれず邸内を探し回ることができると、ヒロミの仕事部屋にも清掃目的で出入りし、当たり前のように金庫が置かれていることを知ったが、彼に金庫破りなど出来るはずは無く、屋敷の人々の行動パターンや監視カメラの位置を頭に入れながら真面目に仕事をこなしていた。



 朝一番に掃除をするのは社長室からだと言い付けられていて、アキラが部屋へ入ると、こんな時間から居たためしのないヒロミが雑務をこなしている所に出くわし、開け放たれていた金庫を覗いたが書類が山積みなだけで、彼女が帰った後、何気に触った金庫に鍵は掛かっておらず、いつでも開けれる書類棚のようになっていることを知り、目的の物はヒロミの部屋にあるだろうと目星を付けたが、女主人の部屋は危険すぎると頭を抱えいっそのこと脅してしまおうかとも考えていたが、
「時間はたっぷりある…」
 早計過ぎると独り言をつぶやいていた。すると花を生け換えに来た個性的な眼鏡をかけたメイドに話しかけられていた。
「この鉢植え幾らすると思う?」
「う~ん、分からないね」
「大事に扱ったほうが身の為だよ」
 と言いながら彼女は、棚の埃を指でなぞりアキラに見せ付けた。
「へいへい…」
 彼女は屋敷のルールから掃除の仕方までを厳しく仕込む新人教育係りで、たわいもない会話を交わす程度の相手にもなっていた。
「ねぇアキラさんって、ユィナ様のお兄ちゃんなの?」
「そうだけど? あぁでも今はもう赤の他人…」
 彼女の戸籍は家主のものへ移っているはずだと、そう答えていた。
「えっ、どういう意味?」
「言葉通りだけど? あと敬称要らない普通に名前だけでいいって前に言ったよ」
「そう? でもなんで使用人なんかになったの? きつい仕事なのに給料も貰ってないって聞いた」
「まぁ色々だよいろいろ、ヒナさんはここ長い?」
「長くは無いよ、シロトさんに比べたら短いみじかい」
「誰? あぁ、いつも車弄ってる運転手の人かな」
「そうそう。私はここ来てまだ三年経ってない、おじさんもうすぐ居なくなるけどね定年で」

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