妹兄121
妹兄121
同乗していた女性は、即死だったそうだ。その女性と俺に面識は無く、遺体から”玩具”が飛び出していたと、相手側の親族から罵声混じりに教えられていた…。父は不倫していた。でもその行為には訳があった、そのことを一番理解しているのは母、
『あそこの奥さんってすごぃ好き者なの、私たちのしてることにすごく興味があるって。あなたが相手を気に入ったら、そのうち三人で… うふふっ』
彼女が父にけしかけていたんだ。俺は、その場面も盗み見ていたのだから…。
俺は意識を取り戻した母と妹に、あの時何があったのか問い続けた。ミィナは事故の後遺症と、父の死で心を閉ざしたまま…。チヒロが負った傷はとても深かったが、心は徐々に解けていき、ごく普通に会話が出来るようになったのは、つい最近のことだ。チヒロが話した忌まわしい言葉は、混乱していたせいだと思うようになり、車の中でアキと冗談を言いあって笑う妹が何より愛しく、今はそれだけで良いと思っていた。
*
「ねぇ。アキさん…」
「なにー?」
「アキさん! アキさん! アキさん!」
「どしたー」
アキはチヒロのショートカットの髪に指を入れ撫で付けている。
「聞きたいことありますぅ…」
チヒロが見つめていた。
「うん?」
「…ってどんな感じ?」
「なに? 良く聞こえないよ」
アキは、チヒロ顔を近づけた。
「ぇちぃ~って どんなの? 痛い? 苦しい?」
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同乗していた女性は、即死だったそうだ。その女性と俺に面識は無く、遺体から”玩具”が飛び出していたと、相手側の親族から罵声混じりに教えられていた…。父は不倫していた。でもその行為には訳があった、そのことを一番理解しているのは母、
『あそこの奥さんってすごぃ好き者なの、私たちのしてることにすごく興味があるって。あなたが相手を気に入ったら、そのうち三人で… うふふっ』
彼女が父にけしかけていたんだ。俺は、その場面も盗み見ていたのだから…。
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「ねぇ。アキさん…」
「なにー?」
「アキさん! アキさん! アキさん!」
「どしたー」
アキはチヒロのショートカットの髪に指を入れ撫で付けている。
「聞きたいことありますぅ…」
チヒロが見つめていた。
「うん?」
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