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 アキラは部屋へ戻ってからずっとジンを口飲みし、ブツブツと文句を垂れ、さっきからあけたり閉じたりしている左の拳に力を込めると、
「くそ! くそ! くそっ!」
 壁を叩き小さなテーブルを蹴り上げた。辺りに散らかる酒瓶やビールの空き缶たち。
「練習していたのですか?」
 帰って来たユィナが問いかけたが、チラッと見たギターはいつものように手垢一つ無く、壁に立て掛けられたまま、キラキラと光沢を放っている。
『アキラ様のギター、久しぶりに聞いてみたいです…』
 その思いを口にすることはなく、カオルに気づかれてしまったことは黙っておこうと決めていて、散らかった物の片付けをはじめた。
「奴らやっと静かになりやがった…」
 今は明かりの消えたテラス、会いに行きさえすれば会えていた”俺の親友”に、礼を言うことができず、ユィナの心も塞いでいた。
「帰れ、帰れ、二度と来るな! あのでかいボーカルも帰って行ったかな? なぁ、そんなことより、お披露目はいつにしようか? ふふっ」
 からかうように、彼女にまとわりつき、
「いつでもいいよな、お前に意思なんか無い…、全ては支配者が決める、お前の心を開く鍵は俺自身なのだから。くふふふふ」
「はぃ、ご主人様。『さっきトイレに居た人がRN!さんなんだ! きっとそう! あぁなんてこと…、会いたい…、あなたに会いたい…』」
 ユィナはそう直感し、兄の酒臭い息に顔を背けていた。
「それでいい、素直になれ。俺から逃げようなんて思うな、俺はお前の管理人。お前がどこに行ってもすぐ見つけるしな、そうだろう? おかしいと思ってるだろう? ギャハハハハ」
 酔った勢いで腹を押さえ転げまわるアキラ。そう、彼はユィナがどこに居ても、的確に場所を言い当て悪戯な指示でユィナを辱めていた。
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