206
妹兄206
ユウキは頭を抱え泣いていた、どうしようもなく泣いていた、ミィナが消毒液で血まみれの拳を手当てするのを拒み、備え付けてあった救急箱を払い落としていた。
「俺はもう二度とママを抱かないって誓ったんだ! どんどん自分が壊れていきそうで怖いんだ、ママお願いだよ昔に戻って!」
「ねぇこれ見て」
そう言うとミィナは、ある物をユウキに見せてめくっていた。
「どうして今…」
「ほらここぉ」
それは前の病院から大事にし、触れると嫌がり、誰にも見せようとしなかったカレンダー、ミィナは三ヶ月先のある日に赤いペンで丸く囲っていた。
「ほらぁこの日、この日で全てから開放されるのぉ、だから泣かないで、その日が来たら昔みたいに笑えるんだよ? 嘘じゃないよ嘘じゃない、ユタカは愛してるって最後の最後に言ってくれたんだよぉ、ママ凄く嬉しかったぁ~」
「この日で全てが終わるって…、どういう意味なの? それは俺らのライブの決行日なんだよ。なんで知っているの、あぁサワダに…」
ユウキはその日に何が起こるのか必死に考えていた。
「…そうねぇミソギ、そうかもしれないな、だからユウキはぁ~、私を抱かないといけない、また変な男が言い寄って来ないようにぃ、ねぇ~」
「ダメだよママ…、今日は相談したい事があって来たんだ!」
「いゃぁああああ、これをちょうだいユウキのこれぇ、おしゃぶりだけさせて、モグモグしたいの、ユウキのを味わいたいのぉ」
「ダメだよママ! そんなことしちゃいけない」
ユウキは昂ぶった気持ちを押さえミィナの両肩に手をかけ、たしなめていく。
「ママはいつか言ったよね、死のうって、俺を殺すって…、もうどうしていいか分からないんだ、チヒロはママ、昔のままのミィナに会いたがってる、俺も同じなんだ、ママの心の病気は、もうほとんど良くなってるってクサナギ先生は言ってた、外泊だって普通にできるって、今のママは俺たちを弄んでるんだよ、どうしてそんなことするんだ、このまま俺と一緒に死ぬ? 死んでもいい俺は構わない、でも残されたチヒロはどうなるの? チヒロもママの大事な大事な娘じゃなかったの?!」
ユウキは頭を抱え泣いていた、どうしようもなく泣いていた、ミィナが消毒液で血まみれの拳を手当てするのを拒み、備え付けてあった救急箱を払い落としていた。
「俺はもう二度とママを抱かないって誓ったんだ! どんどん自分が壊れていきそうで怖いんだ、ママお願いだよ昔に戻って!」
「ねぇこれ見て」
そう言うとミィナは、ある物をユウキに見せてめくっていた。
「どうして今…」
「ほらここぉ」
それは前の病院から大事にし、触れると嫌がり、誰にも見せようとしなかったカレンダー、ミィナは三ヶ月先のある日に赤いペンで丸く囲っていた。
「ほらぁこの日、この日で全てから開放されるのぉ、だから泣かないで、その日が来たら昔みたいに笑えるんだよ? 嘘じゃないよ嘘じゃない、ユタカは愛してるって最後の最後に言ってくれたんだよぉ、ママ凄く嬉しかったぁ~」
「この日で全てが終わるって…、どういう意味なの? それは俺らのライブの決行日なんだよ。なんで知っているの、あぁサワダに…」
ユウキはその日に何が起こるのか必死に考えていた。
「…そうねぇミソギ、そうかもしれないな、だからユウキはぁ~、私を抱かないといけない、また変な男が言い寄って来ないようにぃ、ねぇ~」
「ダメだよママ…、今日は相談したい事があって来たんだ!」
「いゃぁああああ、これをちょうだいユウキのこれぇ、おしゃぶりだけさせて、モグモグしたいの、ユウキのを味わいたいのぉ」
「ダメだよママ! そんなことしちゃいけない」
ユウキは昂ぶった気持ちを押さえミィナの両肩に手をかけ、たしなめていく。
「ママはいつか言ったよね、死のうって、俺を殺すって…、もうどうしていいか分からないんだ、チヒロはママ、昔のままのミィナに会いたがってる、俺も同じなんだ、ママの心の病気は、もうほとんど良くなってるってクサナギ先生は言ってた、外泊だって普通にできるって、今のママは俺たちを弄んでるんだよ、どうしてそんなことするんだ、このまま俺と一緒に死ぬ? 死んでもいい俺は構わない、でも残されたチヒロはどうなるの? チヒロもママの大事な大事な娘じゃなかったの?!」
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