195
妹兄195
少しの沈黙の後、サイトウが言った。
「ハムラミイナ…」
「えっ、ハムラ? 私の本当の名前は…」
「カミオカミイナですね?」
「あぁあああ、まさか、まさか! もう一人の?!」
彼を見つめる目が険しくなった。
「恋人の事故を調べていたら、あなたの名前は違っていました…」
『あぁあああああ』
茫然としたミィナは顔を隠すように両手で覆い、ヒロミに雇われていた頃の事を思い出してしまった。
『あれは私の過失…、人が焼け死んだんだ…、私は発覚するのが怖くて逃げただけ? 全部娘の為にとすり替えた?!』
「これ以上あなたに迷惑はかけられない、私は犯罪を犯しているんです! 逃げて来ただけなんです! 嬉しかったあなたに会えて…、でもこうなっていくことは分かってた、もう一人はどこに居るんです! 家族、子供は!」
「いつか本当の事を話してくれますか?」
震えるミィナを、サイトウは鎮めようと肩を抱くと彼女は頷いていた。
「大変な事故にあわれたショックで、心療クリニックで治療中でした…」
「誰か亡くなったんですか?! まさか…」
「旦那さんが亡くなっていました…、二人居たお子さんたちは無事のようでした」
「子供がいるんですね! 子供たちの名前は?! 住所も教えてくださいお願いです!」
ミィナはサイトウの胸を揺さぶっていた。
「まず僕に手紙を書かさせて下さい、採血できるようお願いする内容の手紙を、それをハムラの息子さんに出させてください」
「連絡が取れたら…、会いに行くんですか?」
「僕が行くのは何も問題が無いはずです、ハムラさん一家が無理でも、あなたのお子さんたちには会わないと、あなたの手術だけはなんとしてでも承諾してもらわないと…」
「あぁああ…、もう関わらないでください恐ろしいんです、あなたにもし何かあったら…、私はわたしは…」
「約束しましたよね? 僕はあなたのプライベートは一切口外しないと、そして僕はあなたを…、まだ信用してもらえませんか?」
「そういうことではないんです、私は先生のことがたまらなく心配なんです!」
『私もあなたを…』
自分の気持ちに気づいてしまったミィナは、見つめられていた目を逸らし戸惑っていた。
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「ハムラミイナ…」
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『あれは私の過失…、人が焼け死んだんだ…、私は発覚するのが怖くて逃げただけ? 全部娘の為にとすり替えた?!』
「これ以上あなたに迷惑はかけられない、私は犯罪を犯しているんです! 逃げて来ただけなんです! 嬉しかったあなたに会えて…、でもこうなっていくことは分かってた、もう一人はどこに居るんです! 家族、子供は!」
「いつか本当の事を話してくれますか?」
震えるミィナを、サイトウは鎮めようと肩を抱くと彼女は頷いていた。
「大変な事故にあわれたショックで、心療クリニックで治療中でした…」
「誰か亡くなったんですか?! まさか…」
「旦那さんが亡くなっていました…、二人居たお子さんたちは無事のようでした」
「子供がいるんですね! 子供たちの名前は?! 住所も教えてくださいお願いです!」
ミィナはサイトウの胸を揺さぶっていた。
「まず僕に手紙を書かさせて下さい、採血できるようお願いする内容の手紙を、それをハムラの息子さんに出させてください」
「連絡が取れたら…、会いに行くんですか?」
「僕が行くのは何も問題が無いはずです、ハムラさん一家が無理でも、あなたのお子さんたちには会わないと、あなたの手術だけはなんとしてでも承諾してもらわないと…」
「あぁああ…、もう関わらないでください恐ろしいんです、あなたにもし何かあったら…、私はわたしは…」
「約束しましたよね? 僕はあなたのプライベートは一切口外しないと、そして僕はあなたを…、まだ信用してもらえませんか?」
「そういうことではないんです、私は先生のことがたまらなく心配なんです!」
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