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194

妹兄194
「あなたは光を感じたら、目覚めます」
「いゃああああああ~!」
「ミナヨさん、しっかりするんだ、ミナヨ!」
 サイトウは暴れる彼女を押さえ、名前を呼んでいた。
「もう大丈夫です、だいじょうぶですよ今のはただの夢です、この指何本に見えますか?」
 老医師は手を振っていた。
「はぁはぁはぁはぁ… 指? それはペンライトです…」
「はい正解、少しそこのベッドでお休みになってくださいね、すぐに動いちゃだめですからね? ちょっと用足しに行ってくる、サイトウ先生後で話そう」

 老医師がデスクからタバコを取り外へ出てい行くと、サイトウはミィナを抱き上げ、ベッドに寝かしつけると、汗ばんだ額をハンカチでぬぐってあげた。
「ハァハァハァ」
 記憶の中に落ちてしまった彼女は、何かを見てしまっていたが目の覚めた今、夢のような出来事にはっきりとは思い出せず、ただ怯えながら彼の手を握りしめていた。
「怖かった、怖かったです、もうこんなことイヤです、ものすごい悪夢を見てたような、恐怖しか残ってない…」
「大丈夫、だいじょうぶだから」
「わ、わたしの名前は違うんです、ちがうんです…」
「ミイナさんの方がしっくりきますか?」
「ぁああああ」
 わっと泣き出してしまった彼女を抱き止めたサイトウは、ミィナを見つめたまま唇を求めていた、口づけされてしまったミィナは、思いも寄らない事に驚き泣きやんでしまっていた。
「あなたのことを愛してる」
『ぇえ…』
 動揺してるミィナを、彼はいっそう強く抱きしめ、その細い肩をさすっていた。
「もぅこんな目にはあわせない…、はじめ僕は、あなたたちを引き合わせた上で、検査しようと考えていましたでも…、今回のことで直接会わせるのはまずいと思っています、一人で行動する気だったんですか? それとも、本当に諦めてしまったんですか?!」
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