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189

妹兄189
「そうですね、でもミナヨさん、手持ち無沙汰を一つ解消して上げましょうか?」
「なんだろう」
「ミィナさん、どストライクだと思います」
「何が?」
「サイトウ先生の気の入れようが違うってこと~」
「えええぇ、それはそうよ~、私だってもう先生以外頼れる人居ないんだから」
「うふふっ」
 意味ありげに看護師は笑み、血圧や体温を計って帰って行くとサイトウ医師とすれ違っていた。
「あっ先生おはようございます」
「おはようおはよう、今日も宜しく特に何も無いよね?」
「いぇ、もしかしたらちょっと心拍数が上がってるかもしれませんよ? 先生のも計りましょうか? うふっ」
「ふぅ…」
 パタパタ駆けて行く看護師に首をかしげたサイトウは、今日は特に気が重かった、オカムラミナヨにとって必ずしも吉報ではない話をしなければならず、それとは別に、数日前から断られ続けている事も説得しようとしていて、緊張の色は隠せなかった。

 テラスに出ていたミィナは、息子が東京へ行く直前に起こしたある事件のことを考えていた、隣に住む仲の良い中年夫婦の部屋で、ある物が盗まれたと連絡が入った日のことだ。
『気づくのが遅かった…、さっき分ったんだ、ミィナの大事な物を盗まれちまってた、預かっていたあの小さな包みだ、そん時うちのとあんたが戸籍交換したメモも見られたと思う…、それに驚くなよ、もっと大変なことが…、あんたは俺が何者なのかなんとなく分かってたよな? 俺な実弾入りの拳銃所持してたんだ、やくざの頃のなごり、そ、それも盗まれちまったんだよぉ~、こんなことするの、あいつしか居ないだろう? アキラにバカは止めろって、どこかに捨てろって説得してくれ! おぃ、聞いてるのかミィナ!』

 だが母にはどうすることもできなかった、彼らには二度と会ってはいけない、話すことも、これは自業自得なのだと固く心に誓いを立てていたからだ、手帳や戸籍の件はどうでもよかった、拳銃のことだけが気がかりでならなかったが、今のミィナに祈る事以外、残されたスベはなかった。
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