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妹兄173

妹兄173



 車は我が家へ辿り着いていた、ポストにいくつか郵便が入っていて、その中に見慣れない出版社から”親展”と記述をされた封書が、ミィナ宛てに届いていた。
「ミィナこれ大事な手紙みたいだ、同じのが二通も」
「うふぅ~」
 それを見たユィナは、封を破ってと言うような仕草をし、中を見るとワープロで書かれた書類のような手紙が入っていた、もう一通も、振込先銀行が違うだけのまったく同じ物だった。
「ヤマキタユタカの著作本の印税振込み証書だよこれ! なんで受取人がミィナになってるんだ? しかも、二通って… どういうことなんだ…」
「それは贈り物なのでーす、うふふふふぅ」
「俺のほんとのパパ…」
 咄嗟に口から出た言葉に、唇が震えていた。
「うふふふ、それは贈り物なのですよぉ~」
 笑顔で頷く彼女。
「もう一人、もう一人は? 愛人…、恋人? 彼…、なんでもいいんだ、ほんとのパパ以外に愛していた奴が居たの? 知りたいんだ! もう一人の奴に脅されたりしてるの? 誰がママを呪ってるんだ、何もかもが知りたいんだ、消えるってなに? なぜ死ななきゃいけない! なぜ俺も…」
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妹兄174

妹兄174

 必死で聞き出そうとするユウキ、十五の誕生日に、イチロウたちと血の繋がらない親子だと教えられ、今日まで本当の父のことは、母がきちんと話してくれるまで聞かないでおこうと決めていた。だが、それが今、血の繋がる父、母が愛して止まない相手が、ヤマキタユタカだったことに衝撃を覚えていた、だがそれはユウキの知りたい母の真実の一つに過ぎなかった。

「おいで~」
 俺はミィナに手を取られ夫婦の寝室から、クローゼットの奥へ連れて来られていた、彼女が衣装棚をずらし、床のはめ板を慣れた手つきで外してしまうと、小さな空間が現れ、中に同じ出版社からの封筒がたくさん詰まっていたが、その奥から、黒い小箱を取り出していた。
「あげりゅ~」
 ミィナは箱の中から、きらめく細い指輪を差し出していた。
「ほんとのパパからの贈り物なんだね?」
「付けて、付けてぇ~、も一つあるの~、こっちはあいつに上げなきゃってずっと思ってるんだけど~、会っちゃだめなのぉ~ うふふふふぅ、ダメなのにずっと持ってるの… でもね、あいつ誓いを破ったの、ひどいでしょ」
 指輪はユウキの左薬指にはめられていき、もう一つは自分にしてとせがまれていた。
「あいつ、あいつって誰? あのときの女の子? 面影しか覚えてないんだ、でもなんか同い年くらいかなって言う記憶はあるんだ、あんな若そうな子と一体何があったんだ!?」
 ミィナの白い指にはめてあげながら、ユウキは祈るような思いで話していた。
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妹兄175

妹兄175
『教えてくれミィナ! 教えてくれ! あの日あったことを全部!』
 涙が溢れていた。
「ユタカは死ぬ瞬間、最後の最後までア・イ・シ・テ・ルって言ってくれたの、嘘じゃないの信じてるの、信じてるの…、たった五文字の短い真実…」
 二つの指輪を並べるように見ている彼女。
「あーいーしーてーる~? 愛してよぉ~、私を~ 始めはね、なんて言ってるのか分からなかったのぉ~、ずっと後になってそうだって分かったの~、愛してるんだって~、ユタカがねぇ~ いいでしょ~♪」
「そうそうあのね、あのね~ あなたが頭痛くて倒れた公園~、あそこねぇユタカが告白してくれた場所~、とーっても嬉しくて、私すぐ頷いたんだよぉ、でもユタカ消えちゃった~、うふふふふ~、こんなものいらなーぃ! いらないぃ~ 会いたいよぉ~ 会いたいよぉ~ うわぁああああああ~ん」
 大事にしまっていた封書を掴み、そこらじゅうに投げ捨てたミィナは泣きじゃくり、錯乱し幼児退行したようなミィナに、ユウキはその思いごと抱きしめていた。
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